インボイス制度とは?~0から始めるインボイス制度攻略への道①~

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近頃、”インボイス制度”という言葉を耳にしたことはありませんか?
そう、”インボイス制度”というものは、令和5年(2023年)10月1日から始まる
消費税の大改正のことなのです。

ただ巷で騒がれている”インボイス制度”とは正式名称ではなく、
正式名称は” 適格請求書等保存方式”という制度です。
(漢字が多くなると呪文みたいですよね…。)

今回から何回かに分けて、”インボイス制度”についてご説明していきたいと思います!

まず、インボイス制度を理解するには消費税の仕組みを理解しなければなりません。
消費税の仕組みを0からご説明していきます!!

まず税金に関する〇〇法という法律がたくさんあります。
法人税法、所得税法、相続税法、消費税法…etc
これらの法律は【何に対して】課税されているのでしょうか。
次に、これらの納税者は【誰】なのでしょうか。
図のように、
税の負担者と納税者が同一である税金を『直接税』、
税の負担者と納税者が異なる税金を『間接税』といいます。

消費税は納税者と実際の税の負担者が一致していませんよね。
(詳しい方もいらっしゃると思いますので、一部取引を除き、としておきます)
買い物した後、国へ納税したことありませんよね?!
なので消費税は『間接税』になるのです。


★★★消費税の仕組み★★★

ここで消費税を理解する上で一番大切なお話をします。

消費税は、事業者に負担を求めるのではなく、事業者の販売する商品やサービスの価格に税額を上乗せして、
最終的にその商品やサービスを消費利用した消費者が負担するものです。

その流通の過程の段階で2重3重に消費税が課税されないように、
【多段階累積控除】の仕組みが採用されています。

何か難しい言葉が出てきましたが、
下図の流れを理解できれば消費税の仕組みはOKです!
下図の例は…野菜が消費者に届くまで、の流通の過程を表しました!
(実際はもっと複雑ですが、すごい簡略化しているのでご了承ください。)
(主人公がコロコロ変わりますので頑張ってついてきてくださいね!)

最初の主人公は <生産者> です!
生産者が野菜を育てて、卸売業者に野菜を販売します。
例えば、今が旬!の新たまねぎを本体価格100,000円で販売するとします。
すると、そこに消費税10%がかかりますので、110,000円で卸売業者に販売することになります。
①生産者はこの段階で”10,000円”消費税を預かっています。
※この取引だけで1年間を終えたとすると、この生産者は国に消費税を10,000円納めることになります。

次は <卸売業者> が主人公です。
卸売業者は先ほどの生産者から新たまねぎを110,000円で仕入れしましたよね。
この新たまねぎを小売業者に本体価格400,000円で販売するとします。
すると、そこに消費税10%がかかりますので、440,000円で小売業者に販売することになります。
②卸売業者は仕入れの段階で先に消費税 10,000円を支払っています。
③卸売業者は小売業者に販売する段階で 40,000円消費税を預かっています。
※この取引だけで1年間を終えたとすると、この卸売業者は国に預かった消費税から支払った消費税を差し引いた30,000円納めることになります。

続いて、 <小売業者> が主人公です。
小売業者は卸売業者から新たまねぎを440,000円で仕入れしました。
この新たまねぎを消費者に本体価格600,000円で販売するとします。
すると、そこに消費税10%がかかりますので、660,000円で消費者に販売することになります。
④小売業者は仕入れの段階で先に消費税 40,000円を支払っています。
⑤小売業者は消費者に販売する段階で 60,000円消費税を預かっています。
※この取引だけで1年間を終えたとすると、この小売業者は国に預かった消費税から支払った消費税を差し引いた20,000円納めることになります。

最後の主人公は <消費者> です!
簡単に説明すると、スーパーで新たまねぎを660,000円で購入しました!
そのうち60,000円は消費税部分になります。
※ここ重要! 消費者は消費税を直接、国に納めに行きません!!!

これで新たまねぎは無事に消費者に届けられました…!
めでたしめでたし。ではなく、
最後のまとめに入ります。

今までたらたら説明した流通の過程で消費税がたくさんでてきました。
これらをまとめると図の下のほうの消費税の説明部分になります。
<生産者>は 国に 10,000円消費税を納めました。
<卸売業者>は国に 30,000円消費税を納めました。
<小売業者>は国に 20,000円消費税を納めました。

消費者は…国に(直接)60,000円消費税を納めておりませんが、
流通過程の皆様(生産者、卸売業者、小売業者)が消費者に代わって 60,000円納めてくれているんです。
ちょっと前に書いた『間接税』というのがこれです。

以上が消費税の仕組みになります。

消費税の仕組みを理解するだけで大変ですよね…
まだまだインボイス制度のイの字にも達していませんが、
また次回引き続きご説明します!!!

スタッフE
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