不明相続人の不動産持分取得・譲渡
相続が発生し、相続人の中に所在不明等の方がいる場合、
遺産分割協議を整えることが非常に困難な場合がありました。
山林等利用価値の少ない不動産で曾祖父の名義のままの場合、遺産分割協議を進めるためには、推定相続人は50名を超えることもあり、
その中に連絡先がわからない方もおられます。そのため、そのまま放置されることが少なくありません。
しかし、令和3年民法改正により、相続開始時から10年を経過したときは、
持分の取得・譲渡制度により、所在等不明相続人との共有関係を解消できることになりました。
具体的な手続きは、所在等不明相続人の共有持分を取得したい相続人は、
管轄する地方裁判所に供託金を以て申し立て、決定を得、その持分を取得できます。
申立てには、他の相続人の手を煩わすことなく、相続人が多数の場合でも煩雑な手続きが回避できます。
また、相続開始から10年経過すれば、所在不明相続人の共有になっている持分を含めて
第三者に譲渡したい場合も、地方裁判所に申し立て、決定してもらうことによって、当該持分を譲渡する権限の付与が可能になりました。
なお、譲渡するためには、従前と同じく、
他の共有者全員の同意が必要です。加えて、裁判所の有効期限は2か月で、それまでに譲渡してください。
これで空き家問題や放置されている相続未登記が改善されることを期待します。
佐藤 裕子
遺産分割協議を整えることが非常に困難な場合がありました。
山林等利用価値の少ない不動産で曾祖父の名義のままの場合、遺産分割協議を進めるためには、推定相続人は50名を超えることもあり、
その中に連絡先がわからない方もおられます。そのため、そのまま放置されることが少なくありません。
しかし、令和3年民法改正により、相続開始時から10年を経過したときは、
持分の取得・譲渡制度により、所在等不明相続人との共有関係を解消できることになりました。
具体的な手続きは、所在等不明相続人の共有持分を取得したい相続人は、
管轄する地方裁判所に供託金を以て申し立て、決定を得、その持分を取得できます。
申立てには、他の相続人の手を煩わすことなく、相続人が多数の場合でも煩雑な手続きが回避できます。
また、相続開始から10年経過すれば、所在不明相続人の共有になっている持分を含めて
第三者に譲渡したい場合も、地方裁判所に申し立て、決定してもらうことによって、当該持分を譲渡する権限の付与が可能になりました。
なお、譲渡するためには、従前と同じく、
他の共有者全員の同意が必要です。加えて、裁判所の有効期限は2か月で、それまでに譲渡してください。
これで空き家問題や放置されている相続未登記が改善されることを期待します。
佐藤 裕子